2010年5月21日金曜日

記憶は戻るものなのか

ついこないだまで、昔の事というか、つい最近の事までほとんど思い出せず、「とうとうアルコールによる若年アルツハイマーにかかったか!?」、と本気で心配していたのですが、なぜか今年に入ってから急に昔の、しかも今まで忘れていた何でもない出来事とかを、突然ふと思い出したりして、今度は逆に「ついにお迎えが来たか!?」と、心配している今日この頃。

その記憶の中には、昔知り合って数ヶ月しか会ってない人とか、子供の頃に一緒に遊んでいた人とか、僕が小さい頃、うちの島に本土や沖縄本島から遊びに来ていて、一度しか会った事の無い人とか、生きている時のおぢいやおばぁ、兄弟姉妹、そして元気な頃の父母の姿が、鮮やかに蘇るんですよ。

そこで、つい最近思い出した昔の出来事の一部をば・・・

・幼稚園の時(確か百合組だった。僕は薔薇組の方がよかったのにぃ)、教室に置いてあった花瓶を誤って落として割ってしまい、バレるのを恐れて外の石垣の後ろに隠れていたたら、いつのまにか違う生徒のせいにされて先生に怒られていたので、そのまましらんぷりしてた。その男子には、いまだに告白していない。

・小学低学年の時、「あぶり出し実験」をするので、家から何か果物を持ってくるように、との宿題に、家が貧乏だったのを知っていた僕は親に言い出せず、当時親戚が送ってくれてたみかん箱からみかんを数個だけ持っていった。他の生徒はリンゴとか、梨とかだったのに。その時、階級の差というのを肌身で感じた。

・小学生2年の時、授業中にトイレに行きたいのを先生に言えず、小便をもらした。5年生の時は、皆で飼っているヤギの草を、担当の友達と3人でリヤカーを引いて刈りに行ったのはいいが、急に下痢が襲い、大慌てで近くにあった防風林に駆け込むも、パンツを下げるのが間に合わず脱糞。泣きながらその辺の葉っぱで尻を吹き、何食わぬ顔で友達の元に戻ったが、「あんた、なんか臭い!さては、ウンコもらしたでしょ!」と言われ、「な、何言ってるんだよぅぅぅぅ~。ち、違う!違うから!」と、か細い声で反論しながら、その場を離れ家に帰った。後で思ったが、あの時パンツを戻さずそのまま脱ぎ捨てておけば、そんなに臭わなく、バレずにすんだんじゃ・・・? でも、二人とも良い人で誰にも言わなかったらしく、後で噂になったりいじめられたりしなかった。

・小学たぶん4~5年生の時だったと思うんだけど、そんな小さな島に、本土(たぶん広島だったと思う)の大学生が写真を撮りに来てた。当時は今のように沖縄の離島などは観光地としてはほぼ知られておらず、沖縄人以外の人を見るのはほとんど無かったので、島の大人とは違う不思議な人に興味津々な僕らは、島のガイド役をかってでた。皆でまとわりつき、あちこち案内して周ったのだけれど、島にはたくさんある洞窟の中を案内した時、「き、君たち大丈夫かね?」と、ビビっていたのが子供心に不思議だったけれど、考えてみたら懐中電灯も持たずに入っていったから、経験が無い人は躊躇するかも。それから数年後、彼が残していった住所に葉書を送ったら、母親からと思われる、「息子は今外国に行っています。ありがとうね。」というような、綺麗で丁寧な返事が来た。その葉書は、僕が島を離れるまで天井から下がった何か(何だったのか覚えていない)に貼り付けて飾っていました。

・島の子供にしては珍しく、僕が泳ぎを覚えたのは小学6年生の時。以来、ほぼ毎日、海に行って桟橋からダイブしたり、素もぐりをしたりと本当に楽しい日々を過ごしていた訳ですが、ある日、桟橋の先っぽにたたずむ、美しい、明らかに島の女性とは違う華奢な感じの、それまで見た事のない白いワンピース姿の若い女の人を発見。興味本位で友達数人と近づくと、本土から来たのよ~、と言うので、「じゃ、何かお姉さんにお土産をあげるよ」と、当時、護岸工事で埋め立て中の砂地まで(桟橋から大体50m)貝殻を取りに一泳ぎ。たくさん貝を拾ったのはいいが、その貝を持ちながら片手で泳ぐのは一苦労で、アップアップしながらやっとの事でお姉さんが待っている桟橋に着いた時、お姉さんは泣いていた。たぶん、すごく心配していたんだろうけど、当時は、何でこのお姉さんが泣いているのかわからなかったので、自分が何か悪い事をしたのかと思い、貝殻を渡して大急ぎでその場を離れた。

・うちはサトウキビ農家だったので、学校から帰るといつも親は畑で不在。でも、いつもジイちゃんやバアちゃんがいたので、全然寂しくなかった。それに、学校が終わったらいつも外で友達と遊んでいたし。でも、いつも少しひもじかった。だから、夕方になると、畑から帰ってくる親父や母親をいつも台所先で待っていた。なぜって、僕が待っていると、親父も母親も「余ったオカズ食べていいよ」、と弁当箱を渡すから。当時は何も考えずにワーイとか言いながら食べていたけれど、今考えると、あんな重労働をしているのに弁当のオカズを残すなんて、もしかして無理をしていたのだろうか?あと、畑でとれたでっかいトマトを、父親が自慢そうに僕に渡して「コレを食え」と言った姿が今でも忘れられない。 トマトは輪切りにして、砂糖をまぶして食べるのがデフォルトだった。
 
その他にも、バアちゃんはよく僕の鼻水を直接口で吸って抜いていたなぁ、とか、ジイちゃんは敷布団の下にエロ本を隠してしたなぁ、とか、中学三年の時に初めて畑のあぜ道で皆で酒飲んだなぁ、だとか、本当に色々な今まで封印していたかのような記憶が、鮮やかに蘇ってきたのです。

本当、不思議~!!!

歳を取るとともに、昔の記憶というのは薄くなっていくものだと思っていましたが、こんなこともあるんですかねぇ・・・?

5 件のコメント:

chocomilk さんのコメント...

私、つい最近のことも覚えてないし、昔のこともうっすらしか覚えていない・・・・・・

これから、復活するのかしら!?

小学校って、何も考えずに、毎日楽しかったなぁっていうのだけは覚えてる!
きっと、今の現代っ子にはないのかもしれないけど・・・さみしい!

小学校のときにプール授業なかった?
6年生は遅めだよね!

ako さんのコメント...

なんか、POMちゃんの少年時代ってハックルベリーフィンみたいねえ。洞窟の中で迷子になったりとかなかった?

Tumbleweed さんのコメント...

>chocomilkちゃん
昔の記憶が戻るなんてねぇ・・・ ありえないと思ってたけど・・・ 自分でもビックリですよ。
うちは島なので、プールなんて無かったす。
歩いて15分で海だし。
でも、今はあるよ、プール。

>akoさん
そんなぁ、只の貧乏な少年ですよ。
洞窟には湧き水があり、水道が無かった親の世代までは水汲み場として使われていた場所で、島のあちこちにありました。
奥に長いというよりは、下に下に下りていく感じで完全に暗闇では無く、ほんのり明りがある程度。
どんなに暑い日でも、そこだけはひんやりしてて、遊んでて喉が渇くとそこで水飲んでました。

aki さんのコメント...

あんた、とうとうね。
前兆よそれ。ぷぷぷ。。。

ってか、あんたのじんさんやるねー。
幾つになっても男よねー。

Tumbleweed さんのコメント...

>akiちゃん
すまん、学校が忙しくて返事が遅れた!
僕が子供の頃、真昼間におぢいがおバアに襲い掛かろうとして、「何やってんのよ、馬鹿!!」って言われたのを思い出した。
その後、しばらくして亡くなったのよね、おぢい。
あれは、最後に一花咲かせたかったのかしら?